(3)歌口・指孔に関する質問
3-1 初心者です。幾つの指孔の数の笛を使えば良いでしょうか?
分野によって使われる笛の孔の数は異なります(七孔・六孔・五孔など)。祭囃子を吹く時はその祭の規定の笛を使いましょう。趣味で始める場合は、七孔の篠笛を使うと良いでしょう。多くの音を出すことができ、様々な曲を吹くことができます。
3-2 指孔の大小で音に違いはありますか?
指孔の大きい笛の方が、音量が大きく豊かな響きとなる傾向があります(空気の抜けが良くなるため)。ただし、指孔が大き過ぎるとカスレの音が目立ちますので、あまり大きすぎても良くないでしょう。指孔が小さい方が指を押さえやすいように感じるかもしれませんが、ある程度の指孔の大きさがある方が、指で孔の形を感じることができて収まりも良く、安心して指孔を押さえることができます。
3-3 歌口の大小で音に違いはありますか?
歌口が小さい方が「甲(かん)音」(高音)向きで、大きい方が「呂(りょ)音」(低音)向きと言えます。ただし、歌口が小さすぎると、音が単調で響きが少くなくなり「呂音」が出にくくなります。一方、歌口が大き過ぎると「呂音」は出やすくなりますが、篠笛の魅力である「甲音」が出にくくなり、また全体的に音のまとまりが悪くなります。曖昧な表現となりますが、歌口は、程良い大きさで、真円ではなく、やや卵形のものが良いでしょう。歌口への下唇の当て具合が音色に直結しますので、下唇で歌口の形を感じやすい笛がお奨めです。
3-4 指孔の大小の差が目立つ笛がありますが、なぜですか?
指孔の大小や指孔の間隔は調律の結果です。古典調と邦楽調(唄用)は日本十二律に基づいて調律しています(篠笛風洋楽調横笛(ドレミの笛)は西洋12平均律が基準です)。